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うふ日記を目指して日記を書くよ。おやすみ。

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◇ 三つの秋のまぼろし《紅葉編》
2005/10/15(土) 22:52:52

三つの秋のまぼろし《紅葉編》



食欲の秋編はこちらです。それでは、紅葉編をどうぞ。



※ ※ ※ ※



5限目が終わるチャイムが鳴った。友達はすぐに帰ってしまい、教室には私だけ。

ちょっとだけ緊張する。たぶんもうすぐ、ここをあの人が通る。



「おぉぉーひとりでなにやってんだぁぁー。授業終わったんだろー?

もう外は暗いぞぉー。早く帰れぇー。」



森崎先生だ。

先生は、この大学で講師を勤めている。専攻は社会学で、私も授業で何度もお世話になった。

先生は珍しくその日、スーツを着ていた。

珍しいなぁー意外と似合うじゃない・・・そう思いながらぼーっとしていた。



「おい。大丈夫かぁー?疲れてんのか?」

「いや・・・そんなことないです。」

「そうかぁー?疲れてるみたいだぞー」



風が強い。木がざわめいている。






「そうだ、これ」

そう言って森崎先生が差し出したのは、一枚のもみじの葉っぱだった。

「うわぁ・・・きれい」

「元気ないみたいだから、プレゼントだぁぁ」

なんだかうれしくて、どうしたらいいのかわからなくて、黙り込んでしまった。



そのとき。沈黙を破るかのように風が吹いた。

少し開いていた窓から、たくさんの黄色い葉っぱが舞い込んだ。



「ぬわぁぁっ!風強いなぁー。ぬおーこんなにイチョウの葉っぱが・・・!」

先生は、机の上に散らばった葉っぱを拾い集めはじめた。

「これもだぁー。」

「へ?」

「これも、プレゼントな!」

またうれしくて、なにも言えない。



「大丈夫かぁ?顔、赤いぞ。風邪か?」

先生の大きな手が、私のおでこを覆う。あつい、っていうくらいにあったかい手。

「うーん・・・先生のほうが熱いみたいで、わからんわ。なはは!」

おかしくって、笑いがこぼれた。

「よかったぁ。大丈夫みたいだなぁぁ。」

外はもう、真っ暗だ。



「おぉぉ、こんなに暗くなってしまったぁぁ。じゃ、先生は帰るなぁぁ。

気をつけて帰るんだぞぉぉ」



これまで憧れのような気持ちで見ていたけれど、これはただの憧れじゃなくて、恋なのかも・・・ふと思った。



「あの、先生!これ、ありがとうございました」

もみじとイチョウの葉っぱを大事そうに手を持って、ほほえんだ。

「ん、なぁーんもだ!じゃぁ、また授業でなぁぁ」



先生は、最近結婚したらしい。

ずっと前から素敵だなぁとは思っていたけれど、最近ますますかっこよくなったような気がしたのは、そういうことだったんだなぁ。



先生のいなくなった教室で、もみじの葉っぱとイチョウの葉っぱを眺める。

こんなことをさりげなくしちゃう人だものなぁ。だから私も先生のことを好きになっちゃったんだろうなぁ。



すこし切なくなってしまったけど、素敵な人を好きになったなあと思う。

切ないのは、秋だからよね。



占い師の言うことが、またも当たっていた。

じゃぁ・・・明日は?

もしかしたら、何かいいことがあるかも。ちょっとだけ前向きな気持ちで家路についた。
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